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ボスは、煙草を灰皿に押し付け火を消した。 「…火、なんてものは哀れだな。」 「……………」 「こうも小さいと、簡単に消せる。 …お前のように、な。」 「…どういう意味ですか。」 「INEVITABLE.お前がよく知っているだろう?俺はお前。火は無駄な人間。命令あらばどんな人間でもこうなる。」 「……………」 「お前が信じてるものはなんだ?」 「……………」 「答えろ。」 「"自分の心と目"です。」 「…フン。そんなものか。」 「"笑われようが貶されようが、自分の信念にしたがって行動するのが俺"です。」 「…まぁいい。俺を裏切るなよ?」 「もちろん。」 「では、お前の信念とやらを忘れずに行動していけ。俺はもう行く。」 「…お元気で。」 不敵な笑みを浮かべながら去っていったボス。 こうしてごくたまにフラッと足を運ぶのは、俺のためか、見張りのためか。 大きく息を吐くと、ソファに深く沈む。
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