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世界中でテロを起こすX。 その組織が日本人だけで構成されるものじゃないことは確かだ。 ならば、Xはどうやって権力を得ている? 情報はどこから? なぜカリスマ的存在になれる? 「おい。その遺品とやらはどこにある。」 「大事に持っているさ。」 部屋というには遠い洞窟の奥、その片隅に積まれた段ボールのうちの一つに手を掛ける。 その中には桐の箱が入っており、蓋を開けると骨壺と数点の汚ない服、所持品であっただろう小物が幾つか。 「長谷部義之。お前は俺を信じるか。」 「……分からない。」 …ふん。 なかなか素直な答えだ。 INEVITABLE相手に、すぐに信じられると答える奴ほどただのバカだ。 かといって信じてないと言えば、俺からの評価は落ちるだけだ。 こいつはただ単に、自分の置かれた状況が把握できないまま進展していく現実に、不安と焦りと恐怖を俺にぶつけただけにすぎない。 「ならば聞こう。お前はどうしたら俺を信じるんだ。」 「……………」 「俺はお前を裏切らない。それを信じてもらうしか、お前を助ける方法がない。 ここでひっそりと暮らし、のたれ死ぬのもよし、Xに見つかって殺されるのもよし、俺を信じてついてくるのもよし。 お前の死にかたはお前が決めろ。」 「…そう言われると…選択の余地がないじゃないか…」 「色々選択させているだろ。ああ、もう一つあったか。何も信じられず、恐怖に怯えたまま自殺という手も」 「まだ死にたくない!」 …だよな。 こいつはそんなタマじゃない。
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