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だがここでもう一押し。
これ以上逆らわないために必要なこと。
「お前は俺の信用を失った。一度俺との約束を破った者に二度目はない。」
「待ってくれ!」
「そこに立て。さっさと終わらせてこいつを取りに行かなきゃいけないんでな。」
「うわぁあああ!」
「チッ!…動くな。無駄に痛くなるぞ。」
動く標的を狙うのは容易いこと。
敢えて外し恐怖を煽るのは、立場を理解させるための常套手段。
"自分はただの捨て駒"だと。
「ここで死んだ方がマシだぞ?戻っても殺されるだけなんだ。」
「は!?」
「お前が言ったんじゃねぇか。後がないんだろ?
この情報を持ち帰ったとして、お前が今までのように暮らせるとでも思ってるのかよ。
兄貴を裏切り、あそこには帰れねぇ。
新しい組織は後がない。つまり、これが最後の仕事って訳だろ。
利用するだけ利用したが、無価値だと判断されたお前に残されたのは死のみ。」
「………っっ!」
「バカなお前でも分かるだろ。集団で殴られてボロボロにされ、人知れず消される。
海に簀巻きか、山に埋められるか。」
「…待て!待て待て待て!」
「俺なら痛みを感じることもさせずに殺してやれるから安心しろよ。
…さぁ、かくれんぼはおしまいだ。いい加減腹括って出てこい。」
「江原チカだ!江原チカのとこだ!」
「…あのガキのところ?嘘つくなよ。あいつはただの囮役だろ。」
「あいつは連絡役だ!」
…なるほど。
次第に明るみになる事実は、真実の道をより一層輝かせる光。
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