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「連絡役、ねぇ。Xの?」 「そうだ。母親を人質にされてるからな。江原チカの弱点はそこにある!」 …母親は死んだんじゃないのか? 江原学は信じきっていたが、一体どういうことだ。 「あの知能、Xは評価しているが、もっと評価されてるのはあの母親だからな!」 「……………」 「江原チカの知能は間違いなく母親譲り!完璧な人形アンドロイドを造り上げた世界でただ一人の化学者だ!」 …ああ。最悪だ。 こいつは気付いているんだろうか。 自分が喋っている事の重要性ってやつを。 踊らされてるのは俺か? 江原学?江原チカ?こいつか? (Xが誰か確信が持てたな) 恐らくボスは知っていた。 次長や主任、池辺さんも。 おおよその見当は教えてもらったが、確証はなかった。 模索途中でベラベラ喋ってくれたこいつには感謝しなければならないかもな。 「おい。江原チカは母親が死んだことを知らないのか。」 「母親が死んだ?俺は昨日見た!」 「…間違いないだろうな?お前、今喋ったことがもし嘘ならば」 「こんな状況で嘘がつけるほど頭回らねぇよ!」 それもそうだな。 湊川を追い込んだ俺は、天井にあった剥き出しの配管を利用し、一瞬で背後に飛び降りた。 膝裏を蹴って地面に膝をつかせると、両腕を右足一本で拘束。 左腕で首を持ち上げ、露になった首にナイフを貼り付かせた。 同時に右手に持ってた銃は、こめかみに当てて冷たい感触を押し付けたのだ。
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