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X
こいつの国籍は不明
男か、女か
居場所を特定することも
接触することも
何もかもが謎の人物だ。
しかし、確かに存在する。
行く先々、まるで先回りして見張る忍者のように先手をいかれる。
(今度はフィリピンか…)
俺がXと呼ばれていた頃と意味合いが違う。
こいつの場合、謎の"殺人鬼"として恐れられているからだ。
人で溢れかえる地球。
このままだと人間は増加の一途を辿る。
それによって地球は資源が枯渇し、自然は破壊され、地球そのものが滅亡する。
そんな"信念"を掲げ、これ以上人間を増やさないために殺していく。
どんなに権威があっても
産まれたばかりの赤子でも
政治家であっても
ホームレスであっても
その殺しは無差別。
ゆえに、それまで殺しを度々請け負っていた俺が善人扱いされるほどだ。
俺の殺しは"凶悪犯罪者限定"だったから。
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