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…確かに無謀だったか。
俺が契約してきたたくさんの"ボス"
その中でもっとも恐ろしいと感じた。
この目の前にいるボスには逆らうな。
本能的に脳が身体に命令している。
だが、契約重視の"INEVITABLE"
脳を騙し、行動する以外の道はなし。
…タンッ!
どこから出ようか考えていると、キャスター付きの椅子の上に降り立ったボスの足。
「っ!!」
(どんだけの体幹だよ!クソ!)
どんなに勢いを殺しても、キャスターが付いているとなれば、動きを見せるはずの椅子。
見れば、降り立った椅子の上、片足を背凭れに乗せて勢いを殺し、斜めになった椅子をその場から動かなかったキャスター二つでバランスを保っている。
出口を失った俺は、別の出口を作るためにデスクの奥に潜り、その木の壁を思いっきり蹴る。
「「っらっしゃい!!」」
「くっ!」
待ち構えていた二つの銃口。
そうなるだろうと予想はしてた。
飛び出た瞬間両手を地に付け、リーチの長い足を投げ出し二つの銃を同時に蹴り飛ばす。
瞬時に一回転して立ち上がり、椅子から離れたボスを気にしながら次長の腕を掴む。
宙に舞った銃の一つをキャッチしたボス。その銃口が俺に向けられたのと同時に、次長の細い首に腕を回し、頸動脈を締め上げた。
「「「「「……………」」」」」
一瞬の静寂。
溢るの殺気。
「銃を降ろしてもらおうか?ボス。」
…計算通りの展開。
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