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俺を睨み見ながら両手を顔の横に持っていき、人差し指だけでぶら下げた銃を床に落とした。
「…おいおい。こっちに蹴ろよ。池辺さんの傍にある銃も。」
「……………」
「…うぐっっ!…ハッ…ハッ…」
「チッ。ほらよ。」
渋った様子を見、次長の首をさらに強く締めると、大人しく二丁の銃が床を転がり俺の前で停止した。
そこで気付く。
密着した次長の背中。
「…次長もこういうの持ってたんだ?ボスは女にも持たせるんだな。」
「…私の希望よ。」
「なるほど?隙を見てブッ放そうと?甘いな。俺に隙はねぇ。」
「どうかな?」
「隙を作る前に終わるからな。」
背中とパンツの隙間に隠し持っていた銃を手にすると、次長のこめかみに当てる。
それを見て一瞬動きが止まった三人。
次長は会話で隙を作ろうとしているのだろうが…もう遅い。
パシュ!パシュ!パシュ!
「…いやぁああ!」
ボス、続いて永橋主任と池辺さんの額を次々に撃ち抜き、仰け反って大量の出血と共に倒れた。
それを目の前で見ていた次長。
大声で叫び、必死に手を伸ばす。
「…悪いな、恵さん。あんたに恨み等ないが、ボスと一緒に消えてもらう。」
トン!と背中を押す。
パシュ!と銃声が。
後頭部から撃ち抜く。
スローモーションのようにゆっくり倒れた先は、血塗れになって動かない三人の上。
恒例行事のようにその現場を写真に撮ると、銃を捨ててドアを開けた。
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