23/23
前へ
/255ページ
次へ
X、か。 元々は俺の名前。 それがいつしかINEVITABLEに変わって。 そして、追い、追われる間柄。 その正体は不明。俺をもってしても、いまだに会えずにいる謎の人物。 関わってきた人物 関わってきた事件 関わってきた殺し そいつらを総合しながら考え、慎重に慎重を重ねて行動していく。 裏にある人、物、場所、背景 その"裏"こそが最大のヒント 『この事件は、一連のテロ事件と同じであると断定し、捜査当局はーーー』 「…チッ。またか。」 「このテロもXなんですよね。目的って何なんですかね?」 「表向きは美しいことを言ってるがな。世界の無秩序を秩序よく保つため、悪は排除すべきだとか。」 「いいようで悪いッスね。」 「INEVITABLEの目的と似てはいるが全く違う。まぁ、Xが目立つからこそ、俺は行動範囲が広がってるんだがな。…おら、着いたぞ。」 犯罪者に制裁を加える"恐怖"を植え付ければ、それに怯えた犯罪者は犯罪をすることがなくなる。 なくならなかったとしても、極端に減るだろう。 元はそういった考えだ。 しかし今ではーーー 「黒川。」 「…館長?いたんですか。」 「瞬間移動してきたんだよ。」 「胸くそ悪い。ボスと同じこと言いやがって。」 「知らんがな!」 「………館長でも冗談言うんですね。」 「…恥ずかしいぞ!突っ込むな! ああ、そういえば、明日には現物拝めるかもしれないぞ。」 「こんな早く?」 「俺の部下は優秀だからな。」 どんな手を使ったかは敢えて聞かないでおくか。 ただ、ボスを消した今、俺は早急に行動しなければならなくなった。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加