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どんなに気を付けていようが素人は所詮素人。
場数を踏んでいる玄人に敵うはずもない。
殺し屋だろうが警察だろうが同じこと。
「で?どうするんだ?」
「とりあえず、俺の"ボス"は一人しかいないからな。増やしてみるのもいい。」
「Beeに会いに行くのか。毒には気を付けろよ。触れるもの、口にするもの、すべてが毒だと思っておけ。」
「ああ。」
「アンドロイドの件は任せておけ。」
「…は?あのバカから聞いたのか?」
「………フッ。」
腕を組んでニヤリと微笑む館長に、背筋がゾクッとなった。
(…コイツ!)
一睨みして館を出ると、自分の車に乗り込んだ。
「黒川さん!俺も乗せて!」
「……………」
「俺も……あーーーー!!!」
ま、ここに来たのも理由がある。
後ろからチョコチョコついてきていた犬を置き去りにすること。
館長が何を考えているのか分からないが、あれは邪魔でしかならない。ド素人丸出し。
辺りを警戒しつつアクセルを踏み、戻ってきたのは外務省。
その地下アジトに入ると、まず気になっていたものを調べる。
ピピピ!ピピピ!
静かな部屋に鳴る機械音は、盗聴器の電波をキャッチした合図。
発見場所は襟の裏。僅か2,3mm程度の極小サイズ。
「これだな。館長。」
大きく溜め息を吐くと、破壊はとどまり、そのまま襟の裏に戻してバスルームに入った。
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