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「ならば今すぐここに連れてこい。あの面倒なガキはさっさと片付けておきたい。」
「いいだろう。二時間ほど待ってくれ。」
「聞いてなかったのか?俺は今すぐと言ったんだ。」
「今すぐ都合をつけたとして、二時間を要するという意味だ。それが最短時間。」
「……………」
「江原チカは今、択捉にいる。」
「…なるほど。譲歩してやる。ヘリでブッ飛ばしてこいと言っておけ。俺が待つのはきっちり二時間。」
無駄足掻きだ。俺にしたら時間の無駄。
しかし、"こちら"にも時間は出来たとポジティブに考えた方がいいだろう。
「お前の計画とやらはそのあとに聞く。まずは江原チカ。お前の依頼はそれからだ。」
「……分かった。」
「江原チカが来たら連絡しろ。」
まるで苦虫を噛み殺した顔だ。
心で樮笑むと、顔写真が載った"依頼用紙"を手にして倉庫を出た。
倉庫を離れ、車を暫く走らせ着いたとある公園の駐車場。
そこで改めて依頼用紙を見る。
(殺せと言われてもねぇ…)
その顔写真を指でパチンと弾く。
株式会社DRC 社長 湊川蒼
間違いなく俺のボスで
間違いなく俺が殺した
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