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考えれば考えるだけ答えが嵌まっていく。 所詮、組織は組織。 対立するものがあれば、仲間として手を組むものもある。 目的が同じならば後者になり、異なるならば前者になる。 それは目的達成のための礎。 達成するために手段を選ばない。 囮が有効なのは誰もが知っている手。 罠を張ることも然り。 まるで蜘蛛のように糸を張り巡らせ、中心で獲物を待つ狩人だ。 罠を張るのが普通。 ならば勝機はどちらのものか。 答えは単純。 仕掛けた罠の精巧さ、つまり、どっちの罠が相手より上をいくか。それだけだ。 『…もしもし?』 「INEVITABLE.」 『黒川。待ってたぞ。』 「ボス、例のアレはどうなりました?」 『到着済みだ。確認して安全な場所に隠してある。』 「…で?」 『大ボスには通達。警戒してた連中は今日中にドボン。あとは…』 「江原チカ。」 『そのうちXも出てくるんじゃねぇか?まぁ、それはこっち側得意芸の"勘"だけどな。 Xに江原チカにBee。お前は一人でそれを捌かなければいけないってことだが?』 「捌いてみせますよ。」 『二時間後…いや、1時間24分後か。こっちはこっちで片付けを済ませようか。』 「了解。」 「………黒川。」 『大丈夫です。やれます。』 「気を付けろよ。」
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