7

13/17
前へ
/255ページ
次へ
「Bee。こいつは?」 「我らが主人、江原チカだ。」 「……………」 「何か飲むか?長話になりそうだ。」 「いや、買ってきたからいい。」 「…ククッ!」 「警戒はお前にもあることを忘れるな。」 「ハハッ!酷いなINEVITABLE.」 「当然だ。毒針でも仕込まれたら、こっちは簡単に負ける状況だろ。」 口にするものは口にしない。 Beeとの対峙じゃ暗黙のルール。 契約があるとは言え、俺がBeeを信用することはない。 「ねぇINEVITABLE.」 「……………」 「チカを捜してたんでしょ?用事は何?」 …ここからだ。罠の始動は。 不利な状況に自ら飛び込んだ俺が、この罠をどこまで切り抜けられるかが鍵。 だが焦りはない。 冷静さを欠くことなく、俺が主導権を握ったまま終わらせてやる。 小さく息を吐き、見据えた江原チカ。 「聞きたいことが山ほどあってな。」 「ふぅん。」 「まずはお前の母親だ。」 「ママ?」 「アンドロイド江原喜美子はどこにある。」 「っ!」 「お前でも直せなかった欠陥品だろ。何に使ってるんだ?IQ娘。」 一瞬表情が歪んだ。 まさかここから来るとは予想外だったんだろう。 相手は俺だぞ。IQ娘。 その頭で考えろ。 俺の"思惑"という罠を。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加