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Xのことを追うだけが仕事じゃない。 請け負った仕事は他にもある。 …もちろん、すべて殺しの依頼。 なにも考えず、ただボーッと天井を向きながら煙草を吸っていると携帯が震えた。 …プライベート用の携帯。 「もしもし。どうした?」 『ちゃんと寄り道せずに家に帰ったかと思って。』 「……今、職場。」 『…やっぱり!出張前はどうしてこんなになるわけ?ゆっくり身体休めないと、壊れちゃうよ?』 「はいはい。もう帰るって。」 『ホントだよ?』 「ああ。」 (…チッ!考えてもラチがあかない) Xのことも他の仕事も、結局は犯罪者を追うことに変わりはない。 俺は仕事をこなすだけ。 無慈悲なINEVITABLE. 俺に狙われた獲物は逃げられない。 どんなに上手く隠れようが、一度ターゲットになったら最後だ。 だから"警告"を発する。 その警告を受け止めた者は死を免れ、監視下に置かれる。 警告を無視した者は、確実な死を。
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