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思えばこいつも哀れな奴だ。
こんなガキを主人と呼ばなければいけないなど、俺には耐えられないこと。
自分の主人とは、自分が認め、信頼できる人間のことだ。
自分より未熟で経験も世間も知らないガキが、ただ頭がいいというだけで主になる。
まぁ、Xがそうさせているだけだが。
そうだとしても、自分の思い通りにならない今の状況は、Beeにとっては苛立ち以外何もないだろう。
「Bee。大丈夫かお前。」
「ハハッ。何が。」
「落ち着けよ?相手はガキだぞ。」
「さっきからガキガキって…」
「お前も、大人を舐めすぎてると、今に痛い目見るぞIQ娘。」
「なんで?」
「……………」
「だって、チカよりみんな頭悪いじゃん。チカの言う通りにしてれば上手くいくじゃん。」
「…ククッ…所詮、ガキだな江原チカ。お前、勘違いしてるぞ。振り回してるのが自分とでも言いたいか。
大人がお前を利用して振り回してんだ。」
「なっ…」
「信じない?結構。そのまま傲ってろ。
さて、Bee。お前に警告だ。」
「………はぁ!?」
「先に言っておいてやる。IQ娘の企みかXの企みかどっちかは知らねぇが、お前が俺を殺すことは不可能だ。
下手な動きを見せてみろ。お前はそれで終わりだと思っておけよ。」
「おいおい、契約書があるだろ。」
「バレバレの芝居はするな。」
確かに奴らの署名血判が押された契約書。
しかし俺はそれに同意し署名血判していない。しかも一方的に渡された一枚のみ。
双方が持ち、関わる全員の署名血判がなければ、契約など無効もいいとこだ。
ここに来て苛立ちを見せたBeeに素早く対応し、行動規制したあと再度IQ娘を見る。
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