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「いいだろう。」 そう言いながら、俺は腕を緩めた。 少し噎せながら大きく息をし、涙目になったBeeが俺を見上げた。 「お前の依頼を俺は遂行。俺の依頼もお前は遂行。これでイーブンだ。 ならここからどうする?お前のご主人様に仕え続けるのもいい。だが、所詮殺し屋のお前は邪魔になる。」 「…お前、どこまで知ってるんだ?」 「さぁな。とりあえず今言えることは、お前のご主人様はお前を殺す方向で事を進めているのは事実だ。」 「……………」 「…知っての通り、俺には強力なバックアップがついている。」 「…契約者たちか!」 「俺に情報を流す代わり犬になる。そうすることで互いの命は守られるし組織も然り。 今送られてきたメールだ。見ろ。」 そう言いながら、送信者"K"のメールをBeeに見せた。 Beeは目を大きくし、暫く凝視したのち俺を見据える。 「INEVITABLEが会いたいと言ってる、それだけでここに来るガキじゃねぇだろ。お前、何で釣ったんだ?」 「……………」 「答えろBee。」 「…江原喜美子に、会わせると。」 「…なるほど。お前は江原喜美子が殺されたことを知ってたんだな?そして江原チカがそれを知らなかったことも。」 「…ああ。」 恐らく江原喜美子殺害の張本人はこいつだろう。 …いや、X本人か? いずれにしても確定した江原喜美子殺害を、江原チカが納得するよう仕向けるのが手っ取り早い。 「…まぁそれはいい。今の問題はこれだ。お前に意味が理解できるか?」 携帯を振り、メールであることを示す。 Beeはそれを考える様子。
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