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(そろそろ限界か…)
Beeの長考の最中でも辺りの警戒を。
次第に増えていく気配。
それが近距離になってきた。
「時間がない。手っ取り早く言ってやる。
単刀直入に言えば、江原チカはお前の罠に乗っただけだ。」
「…江原喜美子には会えないことを知っていたって意味か?」
「そうだ。それを教えたのはXだとしたら納得いくな。あいつはすべて知っている。
つまり、お前が仕掛けたこの罠は、江原チカとXによる罠に変わった。
Bee、お前を消すために。」
「っ!」
「"残り4集結"とあったろ。
X傘下の組織がここに来ている。組織4つ分なら100人近くの人間がいるだろう。
お前は今窮地にある。1対100。お前ほどの殺し屋を本気で仕留めるために必要な人数だな。」
「…その言葉、そっくりお前に返す。」
「気丈だな。…もちろん俺にも当てはまる。さぁどうする。
俺と共に戦うか死ぬか。単純な二択問題だ。」
ここで漸くBeeが俺から目を逸らせ、あらゆる倉庫の影に注意を向けた。
しかし、さっきまで俺がいた倉庫からは、誰一人動く気配がない。
………Xの仕業か。
「迷っている暇はなさそうだ。」
「その通りだ。」
「2対100ね。いい数だ。俺たち殺し屋に歯向かえばどうなるか思い知らせてやる。
本気出せよ?INEVITABLE.」
「殺すなよ。…こいつら使い道を考えて」
言い終える前に走り出したBee。
向かい合う壁同士を蹴りながら、プレハブ小屋の屋根に登ると、影に隠れていた一人の頭上からブロックを落とした。
グシャ!
振り抜かれた腕。
勢いを増したブロックは頭に命中。
同時に目玉と脳が飛び出し、周辺を赤く染めた。
「殺すなだと?殺らなかったら殺られる!それが俺たちの常識だろうが!
オラぁぁ!かかってこいやぁぁ!」
Beeの雄叫びがそこらじゅうに響いた。
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