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※閲覧注意※ (…チッ!こいつ我を忘れてやがる!) 瞬間的に身体が動く。 なぜならば、Beeが俺を攻撃してきたからだ。 それが最も有効だと分かっている。 ……敵が姿を見せるのには。 飛んできたのは細いナイフ。 身体を回転させて飛んできたそれの勢いは凄まじい。 しかし上からの攻撃は単調でしかなく、バックステップでギリギリ避ける。 それに血を沸かせた連中が、あらゆる場所から出てきた。 「おい!」 「出てきたぜぇ?INEVITABLE.」 「聞け!こいつらの使い道はまだあるから殺すんじゃねぇよ!」 「何度も言わせるな!」 「Bee!!」 「本気で殺しにかかってくる連中を殺さずに済ませるって方が難しいだろうが!」 確かにBeeの言う通りだ。 相手は殺されないように必死になって向かってくる。 それを止めるための戦意喪失。 敵が俺らには敵わないという圧倒的戦力の見せ付けと恐怖心、更には威圧まで加える必要がある。 それらをやりながら100人以上相手にするより、殺してしまった方が手っ取り早い。 だが、こいつらも… 「やめろ!Bee!!」 「…っるせぇぇぇ!!!」 Beeが銃を抜かないのは当たり前か。 至近距離での戦闘では機動力がものをいう。 建物から飛び降りたそこには、10人ほどの敵がいた。 両手にナイフ。 左手は立てて、右手は逆手に。 その中心を人間目掛け走る。 ナイフの切っ先は、手首と首の脈。 正にあっという間。 深く切られた脈は勢いよく血飛沫を上げ、ナイフに付着していたであろう何らかの毒が切られた皮膚を変色させた。
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