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時間が止まった。 正確には、その場にいるものすべての動きが停止した。 あまりの残忍さに。 その光景に。 返り血を浴びた人間の恐ろしさに。 (…今だ!) これこそが"戦意喪失"だ。 俺が描いていたものとは違うが、気持ちを切り替えチャンスだと思わなければ。 目で確認できる43人全員、次々に殴り、蹴り、そして気を失わせる。 その所要時間は約2分。 だがそれでまだ見えていない者にも十分伝わったはずだ。 "殺し屋に歯向かうな"と。 息を整え、チラリとBeeを見る。 心臓のない遺体の上、仁王立ちしている真っ赤に染まった物体があった。 「…何の真似だINEVITABLE.」 「言っただろ。こいつらは利用できる。」 「俺は殺せと言ったはずだ。」 「俺は逆を言った。」 「…殺し屋がいい子チャンか?あ?」 「無駄に戦力を削ぎやがって。お前はバカなのか?考えて行動しろ。 こいつらはXの直轄だ。奴を誘きだすには一番勝手がいい。」 「…は!直轄だろうが連絡が取れなかったら確認しに来るだろうが!」 「危険な場所だと知らせていてもか。大量殺人を成し遂げられた現場を確認するのは雑魚と相場が決まってる。」 「……………」 「殺されそうになるのは初めてか?少しは冷静になれ。」 頭に血が上った人間は、尤もらしいことさえ言えば簡単に落ちる。 "そうかもしれない"と頭で考えさせれば冷静になるものだ。 だが一旦冷静になれば、ここからが怖いところ。 そうなる前に、 「…わっ!…テメェ!」 「悪いなBee。ちょっとオイタが過ぎたな。」 押さえ付ける。
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