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ジャンプして宙で一回転。
その間に足首のナイフを抜き、Beeの太股を目掛け投げる。
着地と同時に上着を脱ぎながらダッシュ、それをBeeの頭へ被せるように投げる。
相手は血塗れ。直接触れると滑る。
それを考えながらの行動。
乾いた服ならば滑ることもない。
上着で遮られた視界をいいことに、目に入った貨物用ロープを手にし巻き付ける。
ジャンプからここまで、ジャスト2秒。
身動きさえままならないBeeの背中を蹴りうつ伏せに倒すと、背中に足を置いてきつくロープを締め上げた。
身体が終われば、腕と足。
立ち上がるため、歩くため、素早く動くために必要な関節はすべて固定。
これで縄抜けさえ出来ないミノムシ。
「ちくしょ…どういうつもりだ!」
「言ったろ。オイタが過ぎた。ちょっと大人しくしてろ。」
「俺が動けなきゃ負担が大きいだけだぞ!」
「お前一人くらい何とかなる。お前が動ける時の方が負担ありと判断したまでだ。」
「お前いい加減に」
「お前は俺に劣る。行動も思考もお前は遅すぎだ。しかも単純バカ。少しのことでキレるバカほど殺されやすい。」
「……………」
「Xや江原チカにまた寝返りましたと裏切らないとも限らない。だったら大人しく俺の足元に置いておく方がマシだ。」
XはBeeを消そうとしている。
大人しくしている方が生きられる。
暗にそう告げたと理解したのか、Beeは無言になった。
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