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「そこからの俺は調べてあるんだろ?知っての通りだ。」 「知らないよ?教えて?」 …わざとらしい一言。 しかしそれも俺とこいつの駆け引き。 面倒なことも丁寧に処置していってこそ、完全勝利は掴めるものだ。 欺くか。欺かれるか。 「…俺には守護天使がついてるからな。お前との駆け引きに負けるはずがない。」 「チカ、それも知ってる!挑発っていうんだよね!」 「…フッ。そうだ。お前の思惑に乗ってやるよ。 俺はとにかくXを捕まえることが目的だ。名を盗られた人物が、一体どんなツラして殺しをやっているのか知りたかった。 そのためにいろんな組織にINEVITABLEとして名を広がらせた。 手始めに、"殺し請負"を口コミで広まらせた。」 「口コミ…随分原始的なやり方だね。」 「そうか?これ以上ないやり方だろ。」 「どこが?」 「裏であろうと表であろうと組織は組織。そして組織というものは必ず提携先がある。 その提携先はまるでねずみ講と同じように広がる。 一つが二つ、二つが四つ、四つが八つ。こうして広まっていき、下っ派の組織まで名前が知れ渡る。」 「……………」 「そしてそれは逆もあり得るという話。」 「…逆?」 「どんなに下っ派の組織でも、任務に関して完全遂行する凄腕という印象を植え付けさえすれば、その下っ派は"上司にお得情報を報告して媚を売る"というシステムが出来上がる。」
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