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精一杯の虚勢か、小娘がニヤリと笑みを浮かべた。
「逃げないの?」
「この俺が?まさか。」
「自信あるんだ?」
「見たところ30人程度。これで俺に勝てるとでも思うか?めでたい奴だ。」
…まぁ、銃で撃たれでもしたら死ぬが、ただでは殺されない。
…一応抵抗はするが。
…忍耐、開始だ。
「おい!右!」
「……!!」
今までいい子に黙っていたBeeが叫ぶ。
恐らくこいつの頭も混乱中だ。
しかし、バカではない。
俺と江原チカの会話を聞き、細い糸を繋ぎ結論は出せたはずだ。
ソファからゆっくり立ち上がる。
Beeの言う通り、右から振り降ろしてきた鉄パイプを避けると、瞬時に懐に潜り、鳩尾に強烈な一発をぶちこんで壁へ放り投げる。
「………次。」
多少の威圧も含めつつ、低い声で一言呟いた。
一瞬怯んだ敵。しかし、
「早く捕まえて!」
…だよな。
パパの居所を知り、早く殺さないとヤバいのは江原チカの方だ。
江原チカの一言で、またも大の大人が動き出す。
「オラァァ!」
「くたばれぇぇ!」
外にいた雑魚より使えそうだが、殺し屋の前では同じ雑魚だ。
背後から来た敵の顎を肘で打ち、その反動で反転した身体を流して弾を避ける。
さて、どこまで抵抗しようか迷うところだ。
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