8

14/53
1137人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
精一杯の虚勢か、小娘がニヤリと笑みを浮かべた。 「逃げないの?」 「この俺が?まさか。」 「自信あるんだ?」 「見たところ30人程度。これで俺に勝てるとでも思うか?めでたい奴だ。」 …まぁ、銃で撃たれでもしたら死ぬが、ただでは殺されない。 …一応抵抗はするが。 …忍耐、開始だ。 「おい!右!」 「……!!」 今までいい子に黙っていたBeeが叫ぶ。 恐らくこいつの頭も混乱中だ。 しかし、バカではない。 俺と江原チカの会話を聞き、細い糸を繋ぎ結論は出せたはずだ。 ソファからゆっくり立ち上がる。 Beeの言う通り、右から振り降ろしてきた鉄パイプを避けると、瞬時に懐に潜り、鳩尾に強烈な一発をぶちこんで壁へ放り投げる。 「………次。」 多少の威圧も含めつつ、低い声で一言呟いた。 一瞬怯んだ敵。しかし、 「早く捕まえて!」 …だよな。 パパの居所を知り、早く殺さないとヤバいのは江原チカの方だ。 江原チカの一言で、またも大の大人が動き出す。 「オラァァ!」 「くたばれぇぇ!」 外にいた雑魚より使えそうだが、殺し屋の前では同じ雑魚だ。 背後から来た敵の顎を肘で打ち、その反動で反転した身体を流して弾を避ける。 さて、どこまで抵抗しようか迷うところだ。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!