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「……………」 世界中がINEVITABLEの恐ろしさを知っている。 電話することは、特定人物のみ。 俺への依頼は裏で知れ渡るメールのみ。 今時SNSを利用しないのはなぜか? そんなもの、簡単に足がつくからだ。 俺の"仕事用"携帯は、様々な国をネット経由し、その回線は毎日更新される。 注意に注意を重ね行動するのは初歩。 警察だろうがスパイだろうが軍だろうが、絶対に見つかることはない。 そのメールに届いた一通。 日々、たくさんの依頼をされるも、請け負うのはそのメールの中から俺が選んだものだけだ。 年齢を見た瞬間、思わず固まった。 (10歳?…ふざけているのか?罠か?) 子供を利用して俺を誘きだすのは常套手段だが引っ掛かったことはない。 依頼主に会うときは、徹底的に依頼主を調べるからだ。 「…もしもし、ボス。」 『おお、黒川。どうした?』 「永橋主任に、至急調べて欲しいものがあるんですが。」 『なんだ?俺じゃダメなのか?』 「ボスのお手を煩わせるわけには。永橋主任に代わってください。」 『スルー上手いね。黒川永悟。…永橋!電話!かわいい声の女から!』 『嘘つけ!今、黒川って言ってたじゃねぇか!…もしもし?』 「……お久し振りです。」 そう。俺はボスを利用して情報を知ることができるから。
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