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「きゃあ!」
彼女の両脇にいた男たちが、俺の足元へと美和子を倒した。
ボロボロの身体は立つのも辛く、ただ身を乗り出して必死に距離を詰めた。
「美和子!なぜここに!」
「く…黒い車に乗せられて!…永悟!どういうこと?あなたがどうして…っ…」
「答えてあげたら?黒川永悟さん。彼女さんが聞いてるじゃん。…あ!元カノさんだったっけ?」
「うるさいクソガキ!」
「永悟!何でこんなことに?」
「…すまない。俺のせいだ。」
「…あなたのせいって…どういうこと?…どういうことよ!」
「だーかーらー、黒川永悟さんのせいだって言ってるじゃない大岸美和子さん。
だってこの人、殺し屋INEVITABLE」
「やめろぉぉおおお!」
俺の叫び声が倉庫内に響いた。
その後、江原チカのクスクス笑い。
項垂れた頭をゆっくり持ち上げ、美和子に視線を戻す。
その表情は怯え、目は軽蔑の目で。
「…INEVITABLE…?…あなた…違うって言ってたじゃない…何で?」
「…すまない…」
「私は…あなたのせいで…二度も襲われたってこと?」
「すまない美和子。」
「あのとき別れたのに…元カノだからってだけでまた襲われた?
…いい加減にして!あなた一体何者よ!」
「はい、そこまでだよ。
黒川永悟さん?まだ言う気にならない?」
「……………」
「…そ。…やって。」
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