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自分から契約を破った 何も出来なかった不甲斐なさ 悔しさと惨めさに身体が震えた。 人はこうして人に陥落していく。 そして今、俺は用無しの邪魔者になった。 「黒川永悟さん。あなたとの話はとっても面白い。だからずっと続けていたい。」 「……………」 「だけどねぇ…話し中の時は数字がいろいろ変動するの。だから確実に勝てる今のうちに消えてもらわなきゃいけない。」 「……………」 「それに元々INEVITABLEという存在が邪魔だって言ったのはXだしね。 知ってた?黒川永悟さんが殺していった人たちって、Xのお友だちばっかりなんだよ?」 「……Xの?」 「怪しいって思って調べたみたいだけど、クライアントもINEVITABLEも分からないって言ってた。 チカも頼まれて調べてみたけど、いいところまで追跡できたと思ったら急に足跡が消えちゃうから分からなかった。 それを"狡猾"って言うんだって。」 「……………」 …なるほどな。 俺はXの琴線を常に触れ続けていたわけか。 契約を交わした組織。 個人的クライアント。 "慎重に"選んだ甲斐があるってもんだ。 「だからね、ずっと邪魔だったの。こうして直接会うためにたくさん頑張った。 INEVITABLEは気紛れな一匹狼。依頼を受けるか受けないかも気紛れ。 だからXはチカが依頼すれば釣れるよ?って。本当に釣れたの。」 「……………」 「邪魔者も用無しも結末は一緒。分かってるでしょ?」 「まぁな。」 「最後に言い残すことはある?」
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