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風が揺らいだ 甘い香りが風に乗り鼻腔に届く 身体をふらつかせることもなく、スッと立ち上がった人影 ドクン ドクン ドクン 血混じりの汗が再度頬を伝った 「…私よ。永悟。」 倉庫に響く高い声 しかしそれは冷たく 「…美和子?」 「そう!黒川永悟さん。Xは大岸美和子さん。あなたの元カノさんだよ?驚いた?」 空気が 手足が 全身が凍った。
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