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「もしかしてって思っても確信が得られないまま時間が過ぎていった。
でも、逆を考えたわ。
本物のINEVITABLEであれば、尻尾なんて掴ませてくれないだろうって。
だから小芝居を一つ考えて実行した。あなたは去るものを追うこともせず消えた。」
「……………」
「…いえ、あの時は別れを拒んだっけ。立ち去るあなたの後ろ姿を見て、とても心が痛んだわよ。
永悟はINEVITABLEじゃないかもしれないって。もしそうなら、何て酷いことをしたんだろうって。
2年も付き合ったもの。情が湧いて当然よね。」
「……………」
「その直後だった。私が使った男たちと連絡がとれないと知った私は、彼らの溜まり場に警察が来ていたことを突き止めた。
…確信したわよ。永悟がINEVITABLEだと。」
「……………」
「明確になったあとは狩るだけ。
と言っても永悟は隙を見せず、動向を探ろうにもすぐに撒かれてしまう。
だからあなたにボスと呼ばれる人たちの方を調べさせてもらった。…ボロボロ出てきたわよ?面白いくらいに。」
「それは良かったな。で、こうして俺まで辿り着き、ずっと消したかった存在を消せると確信したからやって来た、と。」
「そう。あなたは邪魔なの。消えて。」
「…言っただろ?この状況じゃ俺はもう死んだも同然。このオチビさんから99,9%の確率で敗け宣告されてる。
ちゃんと消えてやるよ。その前に教えろ。お前の目的は何だ。」
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