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「目的?そんなの世界征服よ。」
「…は!なんだそれは。」
「私がXになったきっかけは些細なことからだった。純粋にこの世の理不尽を正してやりたいと思った。」
「理不尽?何の?」
「私の兄は交通事故で死んだわ。加害者は八巻宣親。」
「…八巻?……まさか…」
「20年前の総理大臣、八巻宣夫の息子だった。
八巻宣夫はその事実を揉み消した。八巻宣親は刑に服することなくすぐに出所。
謝罪の言葉など一言もなかったし、会いに来たこともなかった。
そういうことが許される政治家。
そういうことが許される金持ち。
そういうことが許される世の中。
すべてが憎いと思った。」
「……………」
「悪いことをしたら罰を与える。それでも改心しない人はどれくらいいると思う?
…犯罪者はね、結局同じところに戻る。
だったら世の中は悪いことだらけじゃない。」
「……………」
「悪いことをしたら罪を償う。被害者が望むのは加害者の死。それだけよ。」
「お前に起きたことは同情する。だが許される行為ではない。」
「そうかしら?世界中で起こっているテロって、全部私の意思に賛同した人たちよ?どれだけいるって思ってるの?
やり方を少しレクチャーしてあげたら、見事に成功させていったわ。」
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