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「悪を悪で制し世界征服、か。」 「そうよ。テロが起こってどれだけ犯罪者が減ったと思う?」 「約38%」 「よく調べてあるじゃない。犯罪が起これば、次に私の餌食になると恐れてる。」 「でも実行には金が必要だった。」 「!」 「だから江原チカを使ってボロ儲け。」 「……………」 「使えそうな人間捜してたら日本にいるんだもんな。すぐに目をつけただろ。」 「…そうよ。何がいけないの。」 「金がある程度纏まっても、今度は戦力不足と武器不足。 戦力補充は今分かった。武器不足に関しては、そこのIQ娘の知識を利用したな? …確か、歴史に詳しいんだっけ?オチビさん。」 「…そうだけど…」 「教科書にある上っ面だけの歴史じゃ分からない部分だ。このIQ娘、文献や戦時記録もすべて興味を持ち、読んだ内容を暗記していたって訳か。 それでフィリピンにプルトニウムがあるかもしれないという情報を得た。」 「……ええ。」 「それを手にしたら武器不足解消。しかし、プルトニウムを手に入れるためには少なからず犠牲者が出る。 そこで考えたのがアンドロイド。 江原喜美子はこの事実を知らなかった。仕事が舞い込んだと思っていたが、蓋を開けてみればとんでもないことに巻き込まれていた。 無かったことにしたいと出ていきそうになった江原喜美子を口止めで殺害。そんなとこか?」 「凄いわね。全部正解よ。」 「……だってさ。江原チカ。お前が信じてた優しいお姉さんは、お前の母親を殺したと自分で言ってるぞ?」
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