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殺気に警戒しながら近付く恵さんを眺めた。 「…どーも。」 「素っ気ないなぁ。元気?」 「お陰さまで。今日はどうされたんですか?俺、ちょっと忙しいんですけど。」 「忙しいお仕事のお手伝いでもしようかと思って来てみたの。」 「…オフィスは騒々しかったようですが。」 「うん。実はずっと連絡来てるんだけど無視してるのよ。そこのカフェに入ろうよ。」 「だから俺は忙しいと…」 「だから手伝ってあげるって。」 殺気はまだ引かない。 本当に、何を考えているのかよく分からない人だ。ボスも手を焼いていると聞く。 だがやはり、"次長"のポジションにつくことのできる人。その腕は一流。 カフェに入り、コーヒーを二つ頼んでテーブル席へ移動。 「…それで?今日はどんな仕事?」 頬杖ついて俺を見た恵さん。 10歳のガキのことを調べながら、警告した連中の見張りを数件しなげればならない。 約束の時間も迫っている。 やるべきことが多く、それを頭で整理している途中、ふと思い立った。
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