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イチイチ口調が腹立たしく思ってしまうのも自分が未熟のせいだろう。 しかし、己を律する術は弁えている。 冷静な頭が命令を下す。 銃、マガジンを手に取る マガジンの弾を確認する それを銃に装填する 銃の先にサイレンサーを装着する 安全装置を解除する 一連の流れは通信しながらだ。 そして立ち上がり、フェンスの上に。 最高の眺め。最高の空気。 見晴らしのよい屋上は、自分の心を落ち着かせ癒すものの一つだ。 そこから眼下へ。 12時ジャスト。 細い路地に入ってきた黒塗りの車。 それが俺の真下に来る。 その車のエンジンルーム目掛けて弾をぶちこむ。 『うわっ!…な、……なんだ!』 「どうした、"ボス"?」 『襲撃だ!おいっ!どこから撃ってきた!見えたのか!』 『分かりません!』 『早く車を出せ!留まっていたら殺されるぞ!』 『だ、ダメです!エンジンが!』 「…警告はしたぞ。"ボス"。」 『……お前、か?』 そこで通信機を切り、フェンスから降りた。 …舐めてもらったら困るな。"ボス" …貴様の首など、俺の采配次第だ。
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