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黒のツナギに着替え、腰にはホルダー付きの腰袋。 ハンドガンとサバイバルナイフをそれに入れ、さらに必要なものを揃え、帽子を目深に被って移動を開始。 しばらく風を感じながら海沿いを走り、到着したとある高層ビル。 「お疲れッス。サンクリーンッス。」 「ああ、サンクリーンさんね。身分証見せて?」 「うっす。」 「…はい。OK。今日は風が強いけど大丈夫かな。」 「風が強いんで俺が来たッス。」 「ああ、そうなんだ?気を付けて。」 「ども。」 前以て準備しておいた身分証は、簡単に俺を射程距離に招き入れてくれるシロモノだ。 例え門が閉じられ、警備がいようと関係ない。 更なる利点は、俺が普通に歩き回っても、誰も不審に思わない。 エレベーターで最上階に着き、ゴンドラを始動させる。 なるほど、上階ともなればここまで風が強い。 だが、俺にとっては頬を撫でるそよ風程度。 ゆっくり目的の部屋にゴンドラを近付けていく。
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