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一瞬停止した空気。 それを破ったのはボディーガードの勢いがついた拳。 同時に別のボディーガードが内ポケットへ手を入れるのが見えた。 拳をかわし、テーブルに手をつき側転すると、両足を揃えて内ポケットへ入れた手を目掛け思いっきり体重を乗せた。 鈍い音がした瞬間、叫び声を上げた。 それを他所に、壁を蹴り宙返りすると、狙い通りもう一人のボディーガードの頭上へ。 その脳天に膝から落ちるだけで、今度は床とお友達。 片足と片手をついて着地し、ターゲットと対面する江原を見る。 その特徴を一瞬で覚え、ターゲットへ目を向ける。 そして、腰袋から再度銃を手にし、銃口をターゲットのこめかみに密着させた。 「よぉ。…お前、警告を無視したな?どうなるか分かっていての事だよな?」 「…ぅあ……ああっ……!」 「一つだけ聞く。お前、なぜ取引する気になった?やめたいと頼んでいただろ。」 「…う……うぅ…!」 「おい。…おい!まだ殺らねぇ。しっかり答えろ。」 銃を握る手とは別の手で頬を二・三度叩き、俺の目と合わせる。 その怯えた目を見ながら背後の殺気に気付き、骨をボロボロにしたボディーガードの顎に回し蹴りを入れて意識を奪った。
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