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「…江原、ね。」 「…お前、俺を…知ってるのか?」 「ああ。」 「…なぜ…」 「なぜ?愚問だな。自分の胸に手を当てて聞いてみろ。」 「……………」 「クライアントがお前を指名した。俺の次のターゲットはお前だ。」 「…!」 「次に罪を犯すとき、それが俺の期限だ。その間の命は保証する。 だが、罪を犯した場合、警告を無視したとしてこいつのようになる。ただ一度限りの警告だ。 …お前にも警告したぞ。命惜しくば足を洗え。 そのデカブツ三人連れて、とっととこの部屋から失せろ!」 十分な殺気、十分な威嚇。 目の前で見せられた現実と相乗効果を呈し、恐怖も最高潮に達した犬たちは、俺が命令した通りボディーガードを引き摺りながら部屋を出ていった。 静かになった部屋の中央に立ち、顔を隠していたタオルを取ると"ボス"に証拠写真を添付して《任務完了》と送る。 「……ハァ……」 …さて。こいつをどうするか。 腕組みしながら見下ろした男。床に横たわり微動だにしない。 思い立った俺は天井を見上げ、場所を一つに絞ると、側にあったコートハンガーを手にしてぶつけまくった。 「「……おわっ!」」 「いつまで覗き見してるんですか。」 「「ははっ…気付いてたか…」」 穴の開いた天井は強度などなく、大人二人の体重は支えられずに落ちてきた失敗忍者たち。
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