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それから2日後だった。 「はじめましてー。姉の恵です。」 「お、お姉さま!?はじめまして!大岸美和子と申します!永悟とお付き合いさせていただいております!」 「……………」 恵さんは本当に会いに来た。 "好奇心"もここまで来れば"執念"だ。 しかも"姉"設定とは。 しかし、この人の考えていることはいまだに読めない。ボロが出ないように話を合わせるしかない。 「アハハ!そんなに緊張しないで?永悟の彼女にどうしても会いたくて、無理矢理押し掛けただけなんだから。 …ちょっとー、永悟ー、やるじゃない。こんな美人の彼女、どこで捕まえたのよ?」 「…どうでもいいだろ。」 「やっだ、何?永悟照れてるの?」 「うるせぇよ。」 「コラ、お姉さまに向かって言葉使い悪いよ。」 「さっさと帰れ。見ただろ。」 「帰れ!?ちょっと聞いた?美和子さん。ホント、こんな奴のどこがいいの?」 …その表情が物語る。 "姉弟の対応は正解"、と。 どうやら恵さんは俺の周辺チェックをしに来ているだけらしい。 これがボスの差し金か、はたまた、自己判断なのかは分からないが。
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