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…なんだ?認めてくれたのか? …それとも… 「…怖かったね、美和子さん。永悟を盾にして逃げるんだよ?」 「盾にしてって!出来ません!」 「ひょろいもやしっこだけど、男だから大丈夫よ。」 「いやいや!お姉さま!?」 「頭でっかちのエリートマンだけど、男だから大丈夫よ。」 「大丈夫です!ええ!」 「永悟。帰る。」 「おお、とっとと帰れ。」 「あんた、仕事バカになるのもいいけど、彼女の事をちゃんと見ておきなさいよ。ちゃんと話を聞いてあげな!」 「その邪魔をした本人が言うな。」 「ハイハイ。あ、そうだ。パパにも顔を見せてあげて。あの人もそんなに長くはないと思うから。 昔の事は忘れなさい。親子として見舞ってあげてよ。ね?」 「……考えておく。」 「よかった。じゃ、美和子さん。落ち着いたらまた会おうね。」 「はい、是非!」 ヒラヒラと手を振って出ていった。 恵さんは本当に難しい。 今ので何を見、何を感じたのか。 俺が分かることは …不自然な"間" …空気の変化 そして、"無警戒" とりあえず明日は"パパ"に会いに行かねばならない。
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