2

32/33
前へ
/255ページ
次へ
「…やっぱり帰って来ればよかったな。一人で怖かっただろ。悪かった。」 「ううん。大丈夫って言い張ったのは私の方だし。さっきはごめんね?」 「気にするな。」 ゆっくり椅子に座らせ、俺はキッチンへ行ってコーヒーメーカーのスイッチを押した。 山ほどある考えなければいけないこと。 その中に含まれる"美和子"事情。 蒸気を立てて香りたつマシンを見ながら、頭の中でカレンダーを思い浮かべる。 ……そういえば、そろそろ…… 状況もいい頃。慰めにもなる。 一つ溜め息を吐き、出来上がったコーヒーをマグカップ二つにいれて美和子の許へ。 「ほら、飲んで落ち着け。」 「ありがとう。」 一口飲んだところでテーブルにカップを置く。 再度俺と向き合わせると、ゆっくり顔を近づける。 重ねた唇。それをさらに深くしていき、しまいには美和子を持ち上げてベッドへ。 「…簡単に他の男に触らせるな。」 「…永悟…」 「お前は俺の女だ。」 「…フフ…ヤキモチ?」 「うるさい。」 多少乱暴に服を脱がせ早急に身を沈めた。 何度も「好きだ」を繰り返しながら。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加