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車のエンジンを始動させると、まずは車のチェックから。 PCを出し、身近な場所にあるセンサーを確認。 それが追跡装置や盗聴器等でないことを確認し、さらには宇宙に飛んでいる衛星をすべてチェック。 誰にも自分の存在をマークされていない事を確認して初めて車を動かす。 普通に走れば30分の道程を60分かけて走る。 幾度となく角を曲がり、来た道を戻り、Uターンをして、追っ手がないことをこれまでかというほど確認して目的の場所へ。 「ボス、俺です。開けてください。」 『…黒川か?』 「はい。」 『どうした。こんな早くに。』 「いいから開けてください!」 多少殺気を込めながら叫ぶと、高度セキュリティなどお構いなしに難なく開かれたドア。 走って目的のドアを見付けると、ノックもせずに入った。 そこにはその部屋の主が大きな椅子に座っていた。 睨みながら近付き、机を両手で思いっきり叩いて大きな音を出した。 そして、部屋の主の胸ぐらを掴んだ。
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