1139人が本棚に入れています
本棚に追加
「黒川。結構な情報だろ?お前の賢い頭で考えてごらん?」
…確かに、今の内容はかなり情報があったし深いものだった。
「…植野は江原からの命令で麻薬入りキャンディを作っていた。
恐らく、理科学研究所所属という利点を逆利用されていた。
その植野は家族を人質にとられていた。脅迫ゆえの犯行だったと結論付けられる。」
「そうだ。彼に犯罪歴はない。初犯なのにINEVITABLEに狙われるという事態。…明らかに臭うだろう?」
「じゃあ、植野を殺せと依頼してきた"ボス"は、その人質の居場所を知っているし江原を動かしている…」
「普通はそう考える。だが植野の話には続きがあった。何て言ったっけ?」
「"思いもよらない"とか"魔女"だとか。…相手は女で…………」
ちょっと待て。女?
俺は植野の依頼を受けていた。
決行前に江原チカからの依頼メール。
同時期にボスからの依頼者と江原チカからの依頼者が鉢合わせ。
恵さんと池辺さんに江原学を追わせ、俺は植野正を追っていた。
偶然?…仕組まれた必然。
ならば、消されそうになった理由は?
殺しの依頼をして来た人物は?
すべてが一致して導き出された答えにゴクリと唾を飲んだ。
それを見た永橋主任がまたニッ!と笑った。
「…どう考えても見えてくるだろう?思いもよらない恐ろしい魔女が。」
最初のコメントを投稿しよう!