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永橋主任は否定も肯定もせず、笑いながら部屋に消えた。 踵を返し、エレベーターの前に立つ。 「ボス!帰ります!朝早くにすみませんでした!」 …今のあの人には会いたくない。 そんな思いが渦巻き、叫んですぐエレベーター乗り込んだ。 …否定も肯定もしない、か。 永橋主任…いや、きっとここにいる誰もがXの正体を分かっているんだ。 「クソ。ここでも踊らされているだけだな。手を打たねぇと…」 一つ一つの地道な作業は不可欠。 行動するときは一気に。 俺がINEVITABLEであり続けるために。 孤高の一匹狼であり続けるために。 「…"ボス"、警告はしただろう?俺のやり方はあんたが一番知っているはずだ。」 「ま、待て!聞いてくれ!」 「命乞いか?」 「お前!報酬はたくさんやっただろ!」 「おいおい。命乞いしろよクズ。報酬なんざ当たり前だろう。リスクを犯して人間殺してやってんだから。」 「やめろ!俺は利用価値が」 「ねぇよ。Xの犬が。」 「!?」 「死ね。クソ犬。」
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