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《閲覧注意》 この仕事をしていると、盗聴器というものは一級の偵察部隊だ。 俺は常にイヤホンを装着し、あらゆる場所に仕掛けた盗聴器からいくつもの声を拾う。 警告した"ボス"、いや、"元ボス" 裏切った代償は大きかった。 『X、頼む、助けてくれ!俺はまだこれからやれる!あんたのためにINEVITABLEを懐柔してみせるから!』 Xと繋がっていたのは江原だけではない。こいつもそうだったのだと気付く。 後手になっている自分に腹が立つ。いやむしろ、あっちが先手を敢えて打っているような奇妙な感覚にもなる。 (とりあえず、潰すか) これ以上Xの犬を放しておく訳にはいかないと思い、すぐに事務所へ向かった。 何度も足を入れた。勝手は知っている。 傘立てに日本刀が混じっていることも 人数、部屋の数、"ボス"の居場所も ボス以外、俺が仲間だと思って無警戒で招き入れることも 建物に入って一歩 傘立ての日本刀を手にする。 二歩 目に入る5人、瞬時に斬る。 三歩 断末魔の叫びが響く中、それを聞いた連中が俺に向かって銃を放つ。 (なかなかいい切れ味だ) 上から下へ振り降ろして頸動脈を切り 左から右へ振り抜き内蔵を外へ出し 一点集中刀を突き心臓から血を抜き取る。 そこら中血だらけ。当然俺も返り血は大量に浴び、歩けばピチャッと音がする。
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