1135人が本棚に入れています
本棚に追加
《閲覧注意》
血というのは独特の匂いがある。
何度も目にし嗅いできたが、そうそう好きになれない匂いだ。
だが、こうして血を浴びれば慣れる。
慣れは最大の味方だ。
それでも"それ"に酔狂しないように理性と冷静な頭を残す。
酔狂してしまえばただの殺人鬼に成り下がるだけだ。
だからこそボスは度々俺に確認する。
『自分の目と心を信じ、信念に従って行動する』、これが俺の基本概念。
こいつらはただの"悪"だ。
人から金を騙しとり、脅迫して金をもらい、集めた金は更なる犯罪を繰り返すための軍資金になる。
要らなくなった奴を殺し、邪魔な奴を消す。
こんな奴らなのに、なぜINEVITABLEに依頼が来ないのか疑問だった。
ボスを守ろうと襲いかかる連中を次々に斬り、その場には肉塊と成り下がった奴の部下が転がっていた。
「初めて使うが、ここまで切れ味がいいとは思わなかった。気に入った。」
「…ひ……あ…」
「…なんだよ。いろいろ漏らしてんぞ?大丈夫か?」
「…や、やめ…」
「お前さ、俺を甘く見すぎ。」
「ぎゃああああ!!!!」
涙も鼻水も小便も垂らした"ボス"は、腰が抜けたのか逃げることさえしなかった。
それもそうだろう。今の俺は、肌の色も服の色も見えない。
それに、こいつの部下は全員消えた。腕が立つと言っていた幹部たちでさえ、俺に首を飛ばされたのだ。
"ボス"に近づくと日本刀を足に突き立て、それを回転させた。
最初のコメントを投稿しよう!