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「次はどの指がいい?早く言わねぇと全部なくなるぞ。」 「知らない!」 「はぁ?…お前、舐めてんのか?」 「本当に知らない!Xと話せば分かる!何か機械使ってる!」 「……………」 「テレビとかの匿名のやつ!ああいう声してるんだ!だから分からない!」 嘘…を言っている顔ではない。 咄嗟にテレビのなんちゃらを出す辺り、読み取れる必死さは伝わる。 まぁ、実際に会ったこともないならあちらさんも用心を重ねて当たり前だ。 「じゃあ、Xの目的は聞いてるか。」 「…え?」 「やりたいことだ。あいつがどんなやつか知ってるだろ?一緒に働いてたんだから。」 「知らん!こっちは多額の報酬と引き換えに簡単な仕事をしていただけだ!」 「俺の情報を回すことか。」 「…それが一番金になった!」 「だろうな。がめついお前がしそうなことだ。それで?Xは俺について何を知ってるわけ?お前が吐いたことを言え。」 「…吐いた?…そういうことはない。聞かれるのは決まって"次の殺し"だ。お前のターゲットを調べるだけ。 あとは…黒川という名前だけ。」
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