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「実際に見たのか。」 「見てない!だから殺されたと分かるんだ!」 「…どういう意味だ。」 「手足となれば喜美子に手は出さないし連絡もさせる!それが約束だった! 約束を破られた意味を考えろ!それがない今俺のやって来たことはただの暴力と虐殺だ!」 「よく理解してるじゃねぇか。守れるべきものを守れず、ただのアホに成り下がっただけの負け犬だ。」 「分かっている!だからもうこれ以上我慢してもなにも成せない!」 「だろうな。側近以外の部下は、横暴に目覚めたバカ連中。お前の居場所は最早龍仁会にはない。」 「だから頼んだ!」 「…では、最後の質問だ。お前は娘を今でも愛しているか?」 「…は?…娘を?」 「答えろ。」 「…愛している!だからあの子を止められるならこの命も惜しまない!」 「……………」 「………だが、」 「!」 「憎…い!心底憎い!」 「……ハハッ!………合格だ。江原。」 キョトンとした江原を解放し、対面する壁に背を預けて腕組みした。 お互い腹を探るように見合って数秒。 帽子、マスクを外す。 「…こんな…若かったのか…」 「…俺は黒川。訳あって今は、お前が知っているようにINEVITABLEと名乗っている。」 「……………」
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