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そう。ボスのアジト。 一日二回も来ることになるとは思わなかった場所だ。 「ボス!開けてください!ボス!」 『なんだ?…またお前か。今度は』 「いいから開けてください!」 叫べばやはり簡単に開いたドア。 ダッシュで目的の場所へ向かい、そのドアをノックなしで開け放つ。 ボスと永橋主任、池辺さんの三人が俺を出迎えた。 「どういうことですか」と、最低音の声で話し掛ける。 「どういうことって、何がだ?」 「今回の殺しです!何を考えてるんだあんた!」 「まぁ落ち着け。永橋、コーヒー持ってこい。お前もそこに座れ黒川。」 焦りを隠せない俺に、余裕の表情で足を組むボス。 相反する俺とボスが、テーブルを挟んで向かい合う。 しばらく沈黙のまま睨み合い、コーヒーが来たことで会話が開始された。 「PSP隊長と副隊長は、さすがのお前でも殺せないか?」 「当たり前です。それはボスが一番理解していると思いますが?」 「確かにPSPはしぶといし強い。だが、組織にとっては邪魔な存在だ。」 「分かっています。でも、彼らの情報はCIA等の諜報機関をもってしても得られない。 詳細が分からないと依頼は受けないのが俺のやり方です!そしてあんたから学んだやり方だ!」 「そうカッカしなさんな。 …なぁ黒川。俺以外にも依頼があったんじゃないのか?」 「…なぜ知って……!…PSPは…何をしたんですか?」 ボスの一言で、頭に血が通う。 …そうだ。依頼は3件。 単純に考えることさえできなかったほど、俺は冷静さを欠いていた。 単純に考えれば…PSPが何かを始めたことゆえに、"裏組織"なるものの危険性が高くなっている結論できる。 ボスは俺の呟きに笑って応えた。
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