4

8/37
前へ
/255ページ
次へ
「あとは二人に聞け」と言ってボスは出ていった。 考えれば考えるほど悔しいくらいにボスの思惑が見えてくる。 「…ボスはPSPに楯突くなと言いたいんでしょうか。」 「…うわー。そこまでバレちゃってるんだ?本当に賢いね。黒川。」 「茶化さないでください。結局俺に、組織の見せしめをさせたいんでしょ。分かりますよそれくらい。」 「そ。ボスはPSPを止める手段がないと知らしめたいわけ。…なぜだか分かる?」 「多分ですが。」 江原チカに繋がる、いや、ここ最近のクライアントに繋がる先"X"へのメッセージ。 妥当だと思う答えは正解だろう。 俺への依頼が、どこかXの後手になっていると感じることが多かった最近。 だが直接的ではないところを見れば、まだ俺の特定はできてない。 つまり、INEVITABLEを仕留めに掛かっているというメッセージとも受け取れる。 そこでPSPの介入。 これはXにしても相当厄介なはずだ。 恐らく、INEVITABLE以上に。 「裏組織を煽動して利用するXは、裏組織あっての存在だ。手下の壊滅は今後に大きく影響する。 だからまずは俺よりPSP。その意識を俺だけに向けさせたいってことでしょう?」 「マーベラス!PSPに構ってる暇があったら、さっさとINEVITABLEを片付けてみろ、みたいな? そこでやるべきことは、」 「俺とPSPとの勝負。」 「そ。」
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加