4/14
前へ
/255ページ
次へ
車に乗ると、即座に車首を外務省へと向けた。 公には省庁の"公務員" そのカモフラージュは完璧。 誰から見ても怪しまれない"勤務先" そこへ堂々と入ることも許されている。 身分証を提示すれば、その門は簡単に開く。 易々と門を通過し、地下駐車場へ。 地下三階の所定位置に車を停め、エレベーターに乗る。 自分の身分証を翳す。 すると、エレベーターのボタンが反転し、セキュリティロック解除画面と指紋・網膜スキャン画面に早変わり。 そこに顔を近付けながら手をつけば、同時にスキャンを開始するハイテクマシン。 "本人確認"と表記され、ロックを解除するためのアルファベットと数字を順番よく入力し、やっとエレベーターが動き出す。 …さらに地下へと。 「…お?来たか。お疲れ。」 「お疲れさまです。」 「調子はどうだ。」 「至って普通です。…しかし、仕事が遅れ気味で申し訳ありません。」 「期限は設けていないだろ。お前のペースでやりこなせばいい。 …やはり殺し、だったのか?」 「はい。調べたところ相手は脱獄囚でしたし、問題はないかと。」 「大丈夫か?お前。」 「大丈夫です。お気遣いなく。」
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加