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ボスのシナリオは分かっている。
俺を使ってXを誘き出すことだ。
(INEVITABLE初の依頼失敗…か)
かつて未知数"X"と名乗っていたボス。
その名を引き継いだのが俺。
そして現在、最悪の状況を招きつつ引き継いだのが現在のX。
ボスは、勝手に名前をとられたのが許せない。だからどうしてもXを捕まえたい。
ボスの依頼は、純粋にそれだけなのだ。
「クソ…またメールか…」
気付けばその数、51。
それがすべて大崎蒼依に向けられた殺意。
PSPもこうなることは予測していただろうに、なぜこんな急に事を起こすんだ?
…それを考えても分からない。
あっちには倉原心と橋本成がいる。
頭脳戦ですら勝てる見込みはない。
ポケットからタバコを取り火を着けると、携帯履歴から探しだした番号へ発信。
『…出たか?』
「はい。聞いてましたよね?俺に仕掛けた盗聴器で。」
『まぁな。』
「こっちのボスは至極単純ですよ。Xを炙り出す前提でPSPと俺をやりあわせる、それだけです。
あんたはどうなんです?"ボス"」
『とにかく潰せ。』
「そういう命令なら無理だとしか言いようがありません。向こうにはレッドドラゴンを一人で潰した化け物がいる。
その化け物、ずっと現状維持な訳がない。あれからさらに強くなっていることでしょう。
ならば、倉原心以下、本部の人間は全員がそうであると思っていい。俺にPSPは潰せません。」
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