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その他の人間は放っておけばいい。
いずれ俺とPSPの対決を知ることになる時、それが答えになる。
(やることが山積みだ…)
PSPに江原父娘。
どちらかと言えば、江原を先に片付けるべきだ。
今日一日で十日分の疲労を感じる。
俗にいう"気疲れ"という奴だ。
肉体的疲労の方がまだましだと思いつつ、アジトへ向かった。
シャワーを浴び、髪を乾かし、そこに整髪料をつけて。
スーツに着替え、眼鏡をかけ、鞄を持ってアジトを出る。
「…美和子、来てたのか。」
「昨日も来たのよ?ここに泊まってた。お帰りなさい永悟。」
「ただいま。」
休もうと思ったが、そうさせてくれないのが"日常の俺"だ。
瞬時に頭を切り替え、平凡な外務省職員になる。
「今日は疲れた。先にシャワー浴びていいか?」
「うん。上がったらすぐご飯にする?」
「ああ。…美和子でもいいよ?」
「…バカ。」
クスクス笑いながら頬にキスを落とし、我ながら寒い台詞と思いつつバスルームへ。
服に隠し持っていた機械のスイッチを入れ、発信器や盗聴器の有無を調べる。
(…これは盗聴器か)
"ボス"の仕掛けた盗聴器はアジト。
俺のアジトを自宅だと思わせるカモフラージュ。
ならこの反応はどこから?
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