二十三歳の冬

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 そうだ、確かに『好きだった』と伝えた。  キョウコちゃんへの気持ちは過去のもので、オレが現在進行形で好きなのは……愛しているのはチサトだ。  出会ってすぐ告白していれば、オレたちは恋人同士になっていたんだろうか。  いや、その時のキョウコちゃんには他に気になってた人がいたし、オレを好きになってくれたのはチサトと付き合っているオレの話を聞いてからのことだから、やっぱりそれは無かっただろう。 「うん、チサトのこと大切にするよ キョウコちゃんとはこれからも友だちでよろしくね」  その後、オレは景色のいい所まで車を走らせ、初日の出を拝んでキョウコちゃんを家まで送った。 正月三日  チサトは実家から帰ってきており、一緒に初詣に出掛けた。  参拝しておみくじを引いて。  結果は『吉』  今年は年男。  可もなく不可もなくってところか。  隣では、「大吉だったよ~」と飛んで喜ぶチサトがいる。  そんなチサトを見て『かわいいな』と顔が綻ぶ。  オレはチサトを愛している。  チサトを一生大切にしようと思った。 「今からキョウコちゃんに会うの~。ヨシくんもね、新年の挨拶しなきゃ!」  マジで!?と思いながら、一昨日会っていたのにキョウコちゃんに何て挨拶しようかと思っていたけど、会ってすぐキョウコちゃんの方から「明けましておめでとうございます」と笑顔で言われて、拍子抜けした。
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