二十三歳の冬

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 それから3年後にオレはチサトと結婚した。  キョウコちゃんは、オレたちが結婚した2年後くらいに年下の彼氏ができてスピード婚。  お互い二人の子どもに恵まれた。  あの冬の花火を見てから二十余年。  キョウコちゃんは旦那さんの仕事関係で県外に引っ越したらしいけど、チサトとは今でも交流が続いている。  オレたち家族は年末にテーマパークでのカウントダウンイベントに出掛け、花火を見たあと、年越しそばを食べ、初日の出を拝んで初詣に行くことが恒例になった。  自宅へ戻ってきて一休みした後に届いた年賀状に目を通す。  チサト宛に届いた年賀状にはキョウコちゃんの子どもの写真付きで、女の子2人が写っている。  上の女の子は天然パーマなのか、フワフワとした肩までの髪型でメガネを掛けている。  その顔は大きめの黒縁メガネを掛けていたあの頃のキョウコちゃんに似ていて。  あの時、キス以上のことをしていたら、こんな年賀状を見ることは無かっただろう。  正義感の強いキョウコちゃんは罪悪感からオレたちの前から消えようとしたかも知れない。 「何ニヤニヤしてんの?」  キョウコちゃんからの年賀状を眺めていたらチサトが寄ってきた。 「うん。キョウコちゃんトコの長女ちゃん、オレらが知り合ったときのキョウコちゃんに似てきてるなぁと思ってね」 「あー、そうかも。大きくなったなぁ」 「リナはチサトそっくりだよな」  リナとは今年15歳になる娘。 「そう、何かね、声も似てるって言われる~、ハハハー」  オレの隣には愛するチサトと子ども達がいる。  キョウコちゃんと花火を見たのは二十三歳の冬。  遠い昔のこと。  妻の友だちを好きだったことは、懐かしい思い出として胸の奥に仕舞っておく。 END
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